僕もコンサルタントを商いとしておこなっているので、顧問契約のご依頼は嬉しい。
どれだけ忙しくても面談を断らないようにしている。
ただ、一つだけ譲れない大切なことがある、それは
コンサルティングを受けるクライアント(経営者)が、「再生」もしくは「会社をもっと発展させよう」と本気で思っておられるかどうかだ
先日こんなことがあった
・社長役員含め従業員3人(全員家族)
・業種 サービス業
・年商 3000万円(直近)
・3期連続赤字
・借入をおこす為、新規事業計画書(関与する建築事務所が提携している会計事務所に作成させたもの)有り
・既存事業の右肩下がりの売上を時代に合わせた新事業でカバーしたい。新事業構想にあたり立ち上げ〜運用まで付き合って(コンサル)ほしい。将来的にご子息に会社を承継したいが、その時には良い状態でバトンを渡したい
「父親として子供に良い状態の会社を渡したい」
という気持ちに感銘を受け、
「お力になりたい!」
という思いで、
「次お会いする時は、決算書を3期分ご準備ください」
と言い残して別れた初日面談だった
ただ何点か気になったのは、
「サービス業なので、業種上問題点さえ改善して利益体質に転換すれば、わざわざリスクのある新事業を始める必要はないのでは?という思いと、建築事務所が提携会計事務所に用意させた事業計画書の売り上げ計画が、あまりに甘いものだったので気になった。また法人税率が間違っており、いまいちこの会計事務所を信頼できなかった」
後日、3期分の決算書を拝見したところ・・・・
・売り上げは確かに毎期右肩下がり
・粗利率78%と非常に高い
・役員報酬を含む人件費も全体で1000万円ほどで、さほど高くない
・借入はあるが、年商に対してはさほど多くない
「えーっと、なんでこれで赤字なんだろう?」と、販管費を見ていくと・・・
・接待交際費 数百万
・会議費 数百万
・諸会費 数十万
「苦笑、原因は飲み代だなこれは・・・」
わかりきったことだが、跡を継ぐご子息も同席していたので良い機会だと思い、笑顔で尋問してみた
「社長!この接待交際費、会議費、諸会費だけバブル時代なのですが、これの内訳は?これが無ければ、借金を返しても余裕で黒字なのですが」
社長「・・・」
「社長、確かに売り上げは下がっていますが、既存事業の赤字体質の一番の問題は飲み代です。僕はこの状態で借入をおこしてまで新規事業を始める必要はないと思います。本気で会社を良くしたいと思っていらっしゃるのであれば、この飲み代を改善するご決心をなさった時にもう一度ご連絡ください。その時は一緒にやりましょう!」
これだから、僕の売り上げ(顧問料)はいつまでたっても低空飛行なのである・・笑