前回から引き続き、伝統工芸を経営視点から書いてみたいと思う
一般的にビジネスはシンプルに考えると、①商品・サービスをつくる ②お客を集める ③売る から構成される
前回の「伝統工芸を経営視点でみる①」では、伝統工芸の商品について書いた。
工房名を特定してしまう恐れがある為、具体的な生産工程までをあえて書かなかった(というか書けなかった)ことはご了承頂きたい。
今回は、②お客様を集める について書く
伺った3つの工房とも、基本的にはエンドユーザーに届くまでは卸し問屋が間に入るとのこと
結果から申し上げると、
②お客を集める に関してはほぼ卸し問屋にお任せ状態である
「あ、この商品は百貨店で見たことあるな」
と思うものもあったが、それも卸し問屋のお客様が百貨店なわけである
創業以来「お客を集める」ということを経験したことがほぼ無いのである
どうもこの辺りから伝統工芸産業の弱さが少しずつ見えてくる
「伝統とは革新の連続である」
という言葉の通り、生き残ってきた伝統工芸は革新を続けてきた
ただ、ご批判を恐れずに言うと
「革新が、①商品をつくる に限定されている」
ということだ
②お客を集める に取り組むことができれば、
・彼ら生産者の営みもわかり、消費者と生産者の心理的距離の接近が実現する
・消費者から直接フィードバックを得られる
・卸し問屋が何らかの理由で無くなっても事業継続が可能
の3点が実現するのではないでしょうか・・・
事実、関西の多くの大規模卸し問屋で、卸し事業が今後衰退していくことを案じ、川上である製造業を買収する動きが見られています
③につづく