伝統工芸を経営視点でみる③

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前2回、「伝統工芸を経営視点でみる」を書いた

伝統工芸を経営視点でみる①

伝統工芸を経営視点でみる②

 

最後である今回は「売る」というテーマで書く

 

どんなに良い商品、どんなにこだわった商品でも

それがお客様の手に適正な価格で届かなければ、事業として成立しない

もちろん、持続継続も然りだ

 

 

前回書いたテーマ「お客を集める」から、伝統工芸の弱さが見えてきたが、

 

「売る」ということに対しても、伝統工芸の弱さが見えた

 

 

どの工房も展示販売ブースが併設されていた

ただし、内装も新しく綺麗で、常時販売員が居て、「積極的に接客販売する」という雰囲気ではなかった

これはこれで、私は正しいと思う。なるべくしてこうなったというべきか・・

間違っても「これは展示販売ブースを小綺麗にすればお客は集まる。だから設備投資しよう」なんてのは止めてほしい。そんなコンサルは消えてほしい・・笑

 

理由を何点かあげると

・工房併設で、ある程度の広さが必要な為郊外にあるので、お客様にとって交通の便が悪い

・商品の特性上(オーダーメード、低価格商品ではない、マーケットが小さい)、一見さんは少ない

・上記二つの理由から、人的リソース、内装費用などを掛けてもリターンが得られると思えない

 

 

では、何もしないで良いかと言うと、工夫次第で「お客を集める」「売る」に繋げることは可能だ

それには、まず簡単な自社事業の分析だ

クラシックではあるが、色褪せないSWOT分析でみてみる

・S(強み)→伝統により培われた商品、技術とも一級品で、他では真似できない

・W(弱み)→立地が悪い、クレジットカードが使えない

・O(機会)→日本文化を見直す風潮、海外での高い評価

・T(脅威)→顧客の高齢化、マーケットが小さい

 

 

上記分析結果から、僕が社長だったら思いつくだけ(もっとやれることはたくさんある。笑)でも下記の対策や企画を実施する

①まずはクレジットカードが使えるようにする(最近はスマホに挿して使うカードリーダー「square」などもある)

・工房を見学した観光客で「購入したい」とおっしゃる方が少なくないそうだが、旅行者は大金を現金で持ち歩かない。外国人は特に

 

②ICT戦略に力を入れる(ホームページは各工房もっているが、正直イケてない)

・インターネットに地理的要因は関係ない。商品の特質上Eコマースは無理でも、「お客を集める」には寄与するはずだ。ホームページ、ブログ、SNSで、消費者との距離を縮めよう

 

③工房で一定額以上商品を購入してくれたお客様には、工房までの旅費相当額をこちらでキャッシュバックする

・高級商品ゆえにマーケットが小さいが、唯一無二の商品のためマーケットは全国(世界)と考える。

・卸しを何軒も経由して最終的にお客が銀座の店舗で購入すると、工房で直接購入する価格の4倍!になるというのだから、それだったら工房までの旅費をこちらで負担してあげて、工房まで来て頂くことができれば、お客にとっても、工房にとっても嬉しい話だ。

・いっそ高級旅館とタイアップして、ツアーにしちゃうのも面白いかも

 

 

以上、お節介にも勝手に伝統工芸を経営的視点で見て、勝手に対策や企画も考えるというシリーズを3回にわたって書いた

 

ただ、一番重要なのは工房主(社長)の「変わる」「変わり続ける」という決意ではないだろうか

 

この「変わる」「変わり続ける」ということ決意がないところでは、我々も含め、なにも機能しないのだから・・・

 

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